なぜ思い立つ前なのか?創業・起業・開業しようと考えているからこのページを見ているんだ!と言う方も沢山おられると思いますが、まずその前に、と言うことがあります。実は開業するにあたって一番大切なことかもしれません。
それは・・・家族、親類など一番身近な人達の賛同と理解と協力が得られるかと言うことです。
色々な事情や経験、また、自分の夢の実現など開業する理由は沢山あります。しかしそれは”自分”の夢であって”家族全員”の夢ではない筈です。もし、開業が”家族全員”の夢であるならば、素晴らしい事であり、あとは親類の協力が得られるよう、事業の説明をするだけとなります。しかし、開業が”自分”だけの夢の実現であるなら事はそう簡単には運びません。なぜなら、どんな優れた人でも自分だけで事業を運営することは出来ないからです。
仮にご家族の理解が出来ていないご主人が独立を志すとします。ご主人は調理経験が豊富です。お店は13坪程度、客席20席そこそこのお店を開業しようと考えています。調理や接客はアルバイトで賄おうと考えています。果たして順調に事業は行くでしょうか?
細かな部分は省いていますがこの計画では無理が出てくると言わざるを得ません。なぜならお店を営業する為には、営業の裏側、経理と管理が発生するからです。従業員の給与の経理、支払いの経理、雑務等営業以外の部分も多数発生します。この部分を営業をしながらご主人一人が果たして出来るのでしょうか?
また、開業前や開業後は仕事一辺倒になり家庭のことを顧みる暇はありません。そんな時、家庭やお子様の面倒を一人で切り盛りしているのは奥様なのです。自分は自分の夢の為に辛い思いをしてもいとわないでしょうが、奥様はどうでしょう?ご理解を得ていてもギクシャクしてくるものです。ましてやご理解を得ていないとすると家庭崩壊につながりかねません。自分の夢を実現するために家庭崩壊・・・これでは夢を実現したと言っても嬉しくはないでしょう。一緒に夢を実現できたことを喜んでくれる家族は、何物にも変えがたい一番の理解者であり応援者です。
脱サラして開業を目指す場合も同じことがいえます。不景気で給与が下がったとはいえ、定期的に、確実に入金がある事は奥様にとって安心であり、安定した生活をするうえで欠かすことは出来ません。開業をすればお客様が来ていただけなければ、売上はなくお金は出て行く一方です。開業はリスクを伴なっている分、見返りも大きなものですが、この部分においてもご家族の賛同がなければ開業に踏み切れないはずです。
また、金融機関より融資を受ける際にも、ご家族と親類の賛同は必要です。もし、自己資金が豊富にあり、借り入れを起こさなくても開業できるならそれにこしたことはありませんが、大半の方が公的であれ銀行であれ借り入れを予定していると思います。その時に、自宅を担保に入れたり、保証人をご両親やご兄弟、親戚にお願いすることも多いと思います。借り入れの保証人が必要になり、その時に開業しますので保証人になって下さいと話をしても、唐突過ぎて受けてはいただけないでしょう。
これらのことからもご家族の理解と賛同の大切さはご理解いただけると思います。
開業を志して準備を始める時にはまず、ご家族と親類に話をし、賛同と協力を得ていないと事業は前に進みません。事業が軌道にのるまでは資金がショートして援助をお願いすることもあるかもしれません。
そのようなことも想定して話をしておきましょう。
いかがでしたか。意外と皆さんこの部分を後回しにして事業計画を立てることが多いです。
しかし、一番最初にしておかなくてはいけない部分ですので確実に行っておきましょう。 |