親類の協力を得られたら、開業の準備を始めましょう。
まずはどういったお店を作るのかコンセプトを決めなくてはいけません。
コンセプトとは「自分のお店はどういったところにこだわり、どういった特徴があり、誰を対象に商売をするか」をわかりやすくしたものです。たとえば「自分のお店は、地場の農家から直接仕入れた野菜と無添加の商品にこだわり、昔の農家をイメージした店舗でアットホームな雰囲気を作り、健康志向にこだわる30〜40代の世代をターゲットに商売をしていく」といった感じになります。
まず、このコンセプトを決めないとメニューや店舗のイメージも出来ませんし、出店場所も確定することが出来ません。このことを「コンセプトワーク」といってお店の成功、不成功を決めるといっても過言ではありません。じっくりと練り上げてコンセプトを決めましょう。
本当は独自性の強い、誰も行っていないコンセプトを考えるのが一番なのですが、注意をしなくてはいけないのが市場規模です。どんなコンセプトを考えたとしても市場規模が小さい部分を狙うと、商売が成り立ちませんし非常に苦労をします。しかし、それを打開するだけのコンセプトと実行力があれば、独占企業となり、将来性は非常にあります。市場規模が大きな部分は同業他社、いわゆる商売敵(ライバル)が多数存在します。しかし市場に認知されていると言う強みがあります。同業他社が持っていないノウハウや独自性を打ち出せていけるのであれば、非常に勝てる確率が高くなります。
コンセプトワークのポイントはいくつかあります。
第一に何を売るか?(何を売りにするか?)を考えます。ありきたりのものでは淘汰される可能性が非常に高くなります。また、あまりにも専門性が強すぎて一般消費者に理解されにくいものも、浸透する前に自社の体力が続かなくなる可能性があります。一番は認知度は高いが独自性が打ち出せるものになってきます。ここを誤ると開店後、売上が伸びず、すぐにメニュー変更や業態転換をしなければいけなくなるので、気をつけましょう。
第二にどういった形態で売るかと言うことです。飲食店には業種・業態・客単価によって異なる販売形態があります。「すし」を例にとって簡単に説明しましょう。「すし」を販売することは業種と言うことになります。簡単に言うと「すし屋」と言うことです。では業態ではどう分類されるかというと「立ちのすし屋」「回転すし屋」「お持ち帰り専門」「すしをメインにしたすし居酒屋」などがあります。客単価では「回転すし屋」を例にとると「均一寿司(100円均一)」「中間タイプ(客単価1200〜1400円)」「グルメタイプ(1500〜1700円)」に分類されます。自店がどういった形態で売るかは、業態と客単価を見極めて決める必要があります。
第三に誰をターゲットに商売をするかです。自店の業種・業態・客単価はすでに決定していると思いますが、それはメインターゲットにする客層にマッチしているでしょうか?また、その市場規模は適正で、十分商売が成り立っていくだけのキャパシティーは自店の商圏に存在するでしょうか?どんなに素晴らしいプランでもメインターゲットが存在しない地域に出店すれば商売は成り立ちません。自店にマッチした出店場所を決めるためにも、メインターゲットの選定は不可欠です。また、市場規模の調査も必要です。
上記をポイントにコンセプトワークを行い、自店の明確な像を描き出します。自店の像(ビジョン)が明確でないと、融資を受ける際にも、自店の魅力を語ることも、将来性を訴えることも出来ません。また、自分自身の考えを整理するためにもコンセプトワークは重要です。キチンと時間をかけて決めましょう。
コンセプトが決まったらまずはじめに建築に必要な設計をしていただく設計事務所を探さなくてはいけません。色々なお店やインターネットなどで、自分のイメージに合ったお店の設計を行っている設計事務所を探すことから始めましょう。出来れば設計と施工を一体に出来る設計事務所が後々問題が起こらなくて良いと思いますが、建築費用の関係から相見積もりは必須です。ただし、安かろう悪かろうと言う所もあることは事実です。
安いからといって決めることが無いように、その業者様が設計、施工あるいは施工管理したお店を見に行き、自分の目で確認することも重要です。福岡では、私もお取引させていただいている「リードクリエーション」は社長様の人柄等、信頼できる仕事をしていただける設計・施工一体型事務所です。一度お問い合わせしてみることをおすすめいたします。 |