コンセプトワークと並行して行わなければいけないことに融資の準備があります。私の経験上、どんなに優れたプランやコンセプトであっても、それでは融資はおりません。日本と言う国の性質でしょうが融資という概念は存在しますが、投資と言う概念は存在しません。融資は回収を前提にした金融であり、育てるといった考えは存在しません。
私企業の銀行は現在の不良債権処理や体力の関係上シビアにならざるを得ませんが、政府系金融機関である国民生活金融公庫や信用保証協会においても同じ状況です。融資を受ける際にもっとも大切なもの、それは「連帯保証人」と「担保」です。これがなければ話を聞いてもらうこともしてもらえませんし、窓口の対応で思わず立腹してしまうことも少なくありません(いわゆる門前払いというやつです。融資審査の対象にも乗らないことがあります。)
色々と融資制度は存在しますがほとんどの場合「連帯保証人」が必要です。現在の不動産状況から「土地・建物」における不動産担保価値は非常に低く、「連帯保証人」がいるかいないかが融資の分かれ目になってきます。その事業が成功するかしないかは大きな問題ではなく、回収出来るか出来ないかが融資の判断基準となってきていますので、自分は融資制度の条件に当てはまるからといって軽い気持ちで融資の申し込みに行くと失望だけが残りますのでご注意ください。
また、自己資金もある程度は必要です。一般的には総投資額の1/3程度の自己資金が必要と言われています。国民生活金融公庫の資料によりますと、国民生活金融公庫経由の飲食店の出店費用の総額平均は約1600万円です。これを元に自己資金の目安を計算すると約500万円強必要となってきます。
大体国民生活金融公庫では初めての申請の場合、特別なことがない限り1000万円を目安に申請をすると話をしやすいようです。また信用保証協会付融資も同じ傾向にあるようです。
まずは「自己資金」と「連帯保証人(担保)」、この2つを用意して融資に望みましょう。この2つが無ければ、開業計画をいったん休止し、2つを用意する努力をするほうが結果的に開業への近道となります。
2つを用意することが出来れば申し込みをすることとなります。融資制度によって必要な書類や申込書が違いますので気をつけましょう。
皆さんもご存知のように融資には、政府系金融機関である国民生活金融公庫、民間の銀行・信金、農協等がありますが、国や県、市などの自治体が行っている制度もあります。国や県、市などが行っている制度は大きく分けて地域の商工会議所が窓口になっているものや、銀行が窓口になっているものがあります。色々な制度がありますが自分の当てはまる制度は何かを考えて融資の申し込みを行いましょう。
代表的なものには国民生活金融公庫の新規開業ローンの保証人特例措置(新創業融資制度)の550万円の枠が有名です。ただし、この制度も色々と制約が多くなかなか適用されません。詳しくはHPでご確認ください。
福岡県(平成15年度福岡県中小企業融資制度一覧表)・福岡市(福岡市経済振興局 中小企業融資情報)でも同様の制度も存在しますが、これも色々と制約が存在します。銀行関係はほとんどの場合初めての取引ですと融資の相談には乗っていただけないことが多いですが、信用保証協会(福岡県信用保証協会)の保証付融資であれば、申し込みは可能です。
商工会議所(福岡商工会議所)の経由の分も存在しますが、6ヶ月以上の経営指導が絶対条件ですので、開業を思い立ったらまず、地元の商工会議所に相談してみるのも良いでしょう。
飲食関係であれば国民生活金融公庫(生活衛生融資)の300万円を超える一般貸付の申し込みには、(財)福岡県生活衛生営業指導センター理事長が発行する推薦書が必要です。センターにて自店の出店場所の飲食協同組合を紹介してもらい、飲食協同組合に加盟し、組合経由で申請を行うと申請枠が広がりますので一度問い合わせてみることも必要です。
また、融資の申し込みの際には色々な見積書も必要となるので、取り寄せておく必要があります。 |